ヒメコウゾ
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私のオオイシアブに対する印象は、
疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山
この日(6月17日)もクリの葉の上で、肉食の昆虫であるジョウカイボンをしっかり抱え、体液を吸っていました。 カメラを近づけても微動だにしません。 ですから、きっちりピントを合わせることもできました。 写真をクリックして拡大してお楽しみください。
大石さんが関係するアブではなく、大きなイシアブです。
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今日は、ほとんど毎日のようにこのブログの記事にコメントをいただいているわんちゃんの、木津川近くのオオマツヨイグサについての調査結果を紹介します。 なお、この記事に至る経緯は、すべて「そよかぜBBS」に記録されています。
一番最初のいきさつは省略しますが、わんちゃんから下のような写真を送っていただきました。 花だけではマツヨイグサの仲間は名前を知るのが難しいので、葉と茎の毛の様子も写真で送っていただき、オオマツヨイグサであることを確認しました。
オオマツヨイグサの花は、4という数を基本に作られています。 つまり4個のガクに、花弁が4枚、オシベは8本(4本×2)、メシベの先は4裂しています。 通常、めしべの構造は子房の様子を反映していますが、オオマツヨイグサの子房は4つの部屋に分かれています。
ところが、たまたま送っていただいた上の写真のオオマツヨイグサは、メシベの先が6裂しています。 そのことを伝え、わんちゃんにこの植物の他の花のメシベの先端の様子を調べていただいたところ、結果は下のようになっていました(6月21日の調査)。
4裂 77個 62%
5裂 25個 20%
6裂 14個 11%
7裂 5個 4%
8裂 4個 3%
4裂が最も多いのですが、125の花のうち、4つの花は、下の写真のように、なんと8裂です! 下の写真は、黄色い花弁の中の黄色いオシベ・メシベですので、分かりやすいように画像処理をしましたので、少し色が不自然です。
マツヨイグサの仲間の花粉は虫にくっつきやすいようになっているのですが、この写真は、その花粉どうしがくっついて、糸状になっているのもよく分かります。
先ほども書いたように、通常、めしべの構造は子房の様子を反映しています。 では、この5~8裂している花の子房は何室になっているのでしょうか?
これもわんちゃんに調べていただきました。 結果は・・・
メシベの先が5~8裂している花の子房も、全て4室でした。 子房の異常も見つかりましたが、メシベの先端とは関係ありませんでした。
花は大切な子孫を残すための器官で、そう簡単に構造を変えることはできません。 特に種子を作る子房の部分はなかなか変化しないということでしょう。 でも、メシベの先と子房との組織的な繋がりはどのようになっているのでしょうか? また、他の場所でのオオマツヨイグサでも、この調査結果と同じような結果になるのでしょうか?
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6月16日午前9時16分、ヤダケの茂みで写真のような状態のタケカレハを見つけました。
このままではよく分からないので、棒でつっついて別れてもらったのが下の状態です。 大きいほうがメス、小さいほうがオスです。
私の予想を交えた写真の解説:
タケカレハの幼虫は、その名のとおり、タケやササ、ススキ、ヨシなどを食草として育ちます。 そして茶色に黒い紋のついた繭をつくります。 夜、メスが繭から羽化しようと繭の口を開くと、そこから性フェロモンが外に漏れ出します。 風に乗って広がる性フェロモンに導かれてオスが飛来し、繭の外側でメスの羽化を今か今かと待ち続けます。 そしてメスが繭から出てくるや否や、交尾を始めます。 交尾を終えてホッとしたオスとメス、それが1枚目の写真というわけです。
江戸川柳に、「講釈師、見てきたような嘘を言い」というのがありますが、上の解説を信じてもらえますか?
参考までに、タケカレハによく似ていて、もう少し明るい色をしたヨシカレハという蛾もいます。
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クリの葉の裏にヨツボシホソバがいました(上の写真)。 別の葉の影で撮りにくい位置にいたので、枝をそっと曲げるなど苦労していると、それに驚いたのか、下の草むらに落ちてしまいました。 でも、そのおかげで腹部の黄色い色も撮ることができました(下の写真:6月17日、堺市自然ふれあいの森で)。
ところで、このヨツボシホソバという名前、どこがヨツボシなのかと思いませんか?
じつは、上の写真はオスです。 下の草むらに落ちるなど、飛びにくそうにしていましたので、羽化したばかりの新鮮な個体だと思いました。 必ず近くに羽化したばかりのメスもいるに違いないと思って探したところ、予想的中! クリの木から5mほど離れたカエデドコロの葉の上にいるメスを見つけました(下の写真)。
着物を着るように、左右の翅を上下に重ねる蛾も珍しいですが、これほど雌雄で色の違う蛾も珍しいでしょう。 メスは一面黄色で、前翅に2つずつ黒い紋(=星)をつけています。 ただし前翅は写真のように重ねていますので、紋は3つしか見えません。
このメスも撮りにくい位置にいましたので、勇気を出して棒でつついてみると、予想通り飛び立たずに、やはり下に落ち、顔と腹部を撮ることができました。
上から見ると、オスとメスはまるで違う種類のように見えます。しかし、2枚目の写真と下の写真を比べると、頭部はオスでは複眼の間も黒くて少し様子が違いますが、胸部や腹部の色は同じであることが分かります。
この派手な目立つ色はどういう意味を持っているのでしょうか? 警戒色、つまり鳥たちに“私を食べないほうがいいですよ”といっているのでしょうか? ヨツボシホソバはヒトリガ科コケガ亜科に属し、もちろんドクガの仲間ではありません。 幼虫が毒針毛を持っていることは知られているのですが・・・
ちなみに、コケガとは、幼虫がコケ(地衣類やコケ類)を食べるところからきたもので、このヨツボシホソバの幼虫も、おもに幹についている地衣類を食べています。
コケガと名前のつく蛾全てが左右の翅を上下に重ねているわけではありません。 下は近くにいたクロテンハイイロコケガですが、コケガもヒトリガの仲間であることが納得できる姿です。
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このところ、土曜か日曜に撮った写真を1週間かけて紹介するパターンが続いていますが、今日は特別な出来事があって、お散歩は無し。 たぶん明日も無理だと思います。 ですので、今週は先週の土曜日曜(16・17日)に撮ったものなど、少し古い写真を中心に紹介します。 いつ頃どんな生物が見られたかという記録も兼ねているブログですが、その点では少し時期がずれます。 ご了承ください。
まず今日は、卵のうをしっかり守っているヤミイロカニグモ(メス)を紹介しましょう。 堺市と大阪狭山市の境にある天野街道で6月16日に撮影したものです。
なかなかキリリとしたいい顔していると思いませんか? ただし、鼻の穴に見えるのも眼、横一文字にくいしばった口に見えるのは上顎の付け根ですけれど・・・
ヤミイロカニグモは普通にいるカニグモの仲間で、オスはもっと黒っぽい色をしています。
カニグモの仲間は似たものが多く、同定は難しいのですが、たぶんヤミイロカニグモで間違いないと思います。
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第二次大戦後、日本で急激に増えたセイタカアワダチソウも、かなり落ち着いてきて、日本の植物の仲間入りをしそうな感じになってきました。 ということは、この植物を食害する生物が出現したということです。 その代表格が、このアワダチソウグンバイです。 1999年に南米から侵入してきたこの虫は、近畿圏からどんどん分布を広げています。
大きさは3mm前後、細い口を植物組織につき刺して汁を吸います。 6月16日に観察したセイタカアワダチソウでは、あちこちの葉に1頭ずついただけ(下の写真)ですが、増えると葉が黄化し、新芽につくと、新芽は枯れてしまいます。
ところでこのアワダチソウグンバイ、セイタカアワダチソウを減らしてくれただけではありません。 セイタカアワダチソウもキク科の植物ですが、園芸用に栽培しているキクやサツマイモなどにも付く害虫となっています。
というような話はこのくらいにして、肉眼では決して分からないこの繊細な体のつくりを鑑賞してください(もちろん写真はいつものように、クリックでさらに拡大できます)。
※ アワダチソウグンバイの写真はこちらにも載せています。
(13.6.25.追記)
セイタカアワダチソウの葉の裏にいるアワダチソウグンバイの幼虫の写真が撮れましたので、下に追加しておきます。 幼虫はトゲだらけでした。
【 関連項目 】
プラタナスグンバイ プラタナスグンバイを腹側から見る
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若いサルノコシカケの仲間と思われるキノコに水滴がいっぱいついているのを、「堺自然ふれあいの森」で6月17日にみつけました。 2日前の朝に雨が上がってその後ずっと晴れていましたから、雨の雫ではありません。 この水滴はキノコの内側から出てきた水によるものと思います。
このような現象は、今まで何度か、いずれもサルノコシカケの仲間の若いキノコと思われるもので観察しています。 種子植物の水孔と同じようなしくみがあるのでしょうか? キノコの上側からも下面からも出ているようです。
ところで、上の写真2枚とも、写真の下側に昆虫が写っています。 オオモンキゴミムシダマシで、このキノコを食べにきたのだと思います。 下に拡大した写真を載せておきます。
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タマツノホコリは原生粘菌類に属します。 とは言っても、「原生粘菌類って何?」という人も多いのではないでしょうか?
原生粘菌類は、ムラサキホコリなどの真正粘菌(=変形菌)に近い仲間です。 その一生を簡単に説明しますと、胞子から粘菌アメーバが生まれます。 粘菌アメーバ(=単細胞)は、性の異なる相性のいい粘菌アメーバに出会うと合体します。 その後は細胞の核は分裂しますが、細胞質は分裂せず、次第に大きな変形体に育っていきます。 通常何10cmという大きさでゆっくり動き回り、細菌や菌類を餌として十分に成長して成熟した変形体は、胞子を作る体制に入ります。 それがこの担子体です。
原生粘菌類や真正粘菌類の変形体は湿ったところで生活していますが、胞子を風に乗せて散布するには風通しのよい場所のほうがいいので、これからの季節、倒木の上などでこの担子体を目にすることが多くなります。
写真は'07年6月16日に、家から歩いて20分ほどの陶器山の斜面で撮ったものです。 そしてここにも小さな小さな甲虫が来ていました。 タマツノホコリの担子体を食べに来ているのだと思います。 ひょっとしたら、種子植物が果実を食べてもらって糞といっしょに種子を散布してもらうように、タマツノホコリにも胞子を食べてもらって運んでもらうという戦略があるのかもしれません。
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ヤドリバエ科セスジハリバエ亜科に属します。 5月12日に紹介したセスジハリバエの仲間です。 クリの花に来ていました(6月10日に堺市南区岩室で撮影)。
ヤドリバエの仲間は、幼虫は昆虫の幼虫やサナギに寄生し、成虫はこのように花に集まります。
ヨコジマオオハリバエは成虫で越冬しますので1年中見られ、卵胎生で、メスは幼虫を鱗翅目の幼虫に産み付けます。
※ 今回も対象に動き回られ、ピンボケぎみの写真ばかりになってしまいましたので、写真を拡大することはできません。
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「花の実」ではなく、「花蚤」です。 蚤とまではいかないにしても、とても小さな甲虫で、蚤のように飛び跳ねます。
私もお世話になっている大阪市立自然史博物館の初宿(しやけ)先生のHPによると、小さいながらも種類は多く、日本だけでも22属170種が知られていますが,まだまだ未記載の種類を多く残しているそうです。 花蚤といいながら、花に来ない種類もたくさんいます。
写真は6月9日にクリの花に来ていたものを撮った(堺市南区逆瀬川)のですが、チャイロヒメハナノミだと思います。
※ 今回は対象が小さすぎてトリミングしていますので、写真を拡大することはできません。
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休耕田や畦道にヤナギハナガサがたくさん咲いていました(堺市南区岩室:6月10日撮影)。
ヤナギハナガサ(Verbena bonariensis:サンジャクバーベナ)は、南アメリカ原産の帰化植物で、今では全国的に広がっています。
この花はチョウに人気があるようで、キタテハ、アカタテハなどが吸蜜に来ていました。 下は吸蜜に訪れていたツマグロヒョウモン(♂)です。 逆光できれいに撮れたので、載せておきます。
※ ツマグロヒョウモンのメスについての質問をいただきましたので、こちらから私のHPのメスの写真に飛べるようにしました(6月13日追加)
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口にくわえた小宇宙
5月3日に出演いただいたツマグロキンバエの再登場です(クリの花に来ていました:6月9日に堺市南区逆瀬川で撮影)。 ただし、今回の主役は「水滴」。
こうして見ると、ツマグロキンバエもかわいいものです。 「何しているの?」と、言いたくなります。
雨のあとに、閉じこめられた世界がたくさんできていました
今日もぜひ写真をクリックして拡大して見てくださいね(特に真ん中の写真)
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いまさらブログの見方についての説明は不要かもしれませんが、ブログによって少しずつ違いがありますので、記事表示のされ方を中心に整理しておきます。
全体構成は、上にタイトルエリアを、左にサイドバーを、右(この場所です)に記事コーナーを配置しています。 ほとんどの黄色い文字の部分はリンクしていて、マウスを乗せるとアンダーラインが現れ、クリックすると移動します。
記事表示のモード
記事コーナー(この場所)は、次の4つのうちのいずれかのモードで表示されます。 どのモードであっても、タイトルエリアとサイドバーは変化しません。 また、写真の大きさはどのモードでも同じですが、多くの写真は、クリックしていただくと大きな写真が別ウインドウで表示されます。
① 「最新の記事」モード
通常、最初はこのモードになっています(トップページです)。 最新の記事を10本載せています。 過去の記事は、③④のモードでご覧ください。 なお、②~④のどのモードからでも、最上部のタイトル(「そよ風のなかで」)をクリックしていただくと、このモードに戻ります。
② 「単独記事」モード(コメントはこのモードで)
①、③、④のモードの時に、記事のタイトルか、それぞれの記事の下にある「コメント」という文字か、サイドバーの「最近のコメント」の記事名をクリックすると、このモードになります。
1つの記事の下に、その記事に関する情報があり、続いて、その記事に対していただいたコメントが載っていて、一番下でコメントをいただけるようになっています。
記事の最上部には、一つ前の記事・トップページ(①のモード)・次の記事 へ移動するリンクが置かれています。
③ 「カテゴリー別」モード
サイドバーの「カテゴリー」から選んでいただくと、このモードになります。 特定の分野の記事が、新しいものから古いものへと並んでいます。
④ 「月別の記事」モード
サイドバーの「バックナンバー」から選んでいただくと、このモードになります。 その月に書いた記事が、新しいものから古いものへと並んでいます。
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小さなハエですが、なかなかきれいな光沢です(6月2日に堺市南区高倉台で撮影)。 写真はオスで、メスの複眼は、体と同様の色をしています。
アシナガバエの仲間は、世界で役2000種くらいが知られていて、小昆虫やクモなどを捉えて食べる肉食性の昆虫です。
Data
学名:Dolichopus nitidus
ハエ目 アシナガバエ科 アシナガバエ亜科
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食用、観賞用など、アスパラガス属の植物には100種以上あると言われていますが、花の写真を見れば、ユリ科というのも理解できます(小さな花ですが・・・)。
植物は一般的には、両性花から雌雄異花・雌雄異株へと進化したとされています。 アスパラガス属は両性花のものと雌雄異株のものが混在していますが、東北大学遺伝生態研究センター(菅野サブグループ)では、DNA解析から、アスパラガス属植物における雌雄異株植物は両性花植物から単系統で進化したことを示し、食用アスパラガスの性決定のメカニズムを明らかにしようとしています。 この研究が進めば、生物の性がなぜ進化したのか、という問いに迫ることができるかもしれません。
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ホタルの季節です。 ホタルといえば、ゲンジボタルやヘイケボタルが有名ですが、今回はこの両者ほど有名ではないホタル君を紹介したいと思います。
ゲンジボタルやヘイケボタルの幼虫が川に住むカワニナを餌にすることはよく知られていますが、幼虫が水中で生活するのは、ホタル全体から見れば、じつは少数派です。 今日紹介するホタル君も、幼虫は陸上で生活します。
まずはヒメボタル。 ゲンジボタルやヘイケボタルよりも小さく、飛翔力も弱いホタルです。
ヒメボタルについては、ホームページで大阪狭山市のヒメボタルのことを詳しく紹介していますので、そちらをご覧ください。 上の写真も、昨年の5月27日に大阪狭山市で撮ったヒメボタルです。 ホームページでは、発光の様子もムービーで紹介しています。
次に紹介するのは、オバボタル。
オバボタルになると、もっと“普通の”昆虫のイメージです。 昼間に活動し、幼虫は朽ち木の下などで生活し、ミミズなどを食べています。 成虫の発光も、発光器は持っていて羽化直後はよく発光しますが、その後はほとんど光りません。
下の写真は、今年の5月26日に泉北ニュータウン(槙塚台)内の公園で撮ったものです。
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