エンレイソウ
ニリンソウ・イチリンソウと、花弁の無い花を紹介しましたので、ついでにもう1種、5月4日の金剛山で撮った写真から紹介します。
エンレイソウです。 葉も3枚ですが、花で3枚あるのは、やはりガク。 ガクは長持ちして、果実の状態になっても残っています。
その昔、最初にエンレイソウの花を見たときは、子房が膨れて、もう実になりかけていると思いました。 それほど太いメシベです。 でも、この状態が花の盛りであることは、花に集まる虫が教えてくれています。
エンレイソウは漢字で書くと、延齢草。 根茎は食あたり、腹痛の薬として用いられ、命を延ばすのでしょう。
ところで、春先の短い期間しか光合成できないカタクリは、種子が発芽してから開花まで7~8年、場合によってはそれ以上かかりますが、このエンレイソウの仲間も、種子が発芽してから10~15年かけてやっと開花します。 発芽して5年くらいは、ササ状の小さな葉が1枚のみ。 そして、葉が3枚になってさらに5年以上を経て、やっと花をつけます。
光が十分でない林床で、毎年少しずつ光合成で株を充実させ、やっと花を咲かせることができるわけですが、花を咲かせて種子を作らないと子孫を増やすことはできません。 子孫を増やすためには、それまでずっとその場所で生育し続けることができる安定した環境が、この植物には必要なのです。
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コメント
そよかぜさん こんばんわ~
そうして、長~い間、かかってようやく咲いたお花達
欲しいからといって、ユメ抜かざるべし、
違う環境に置かれるお花達は、迷惑なことこの上なし
ですよね・・・
蝉の一生に似ているような・・・・・
投稿: わんちゃん | 2007年5月 8日 (火) 23時51分
野の花は野に置くべし、育てたいなら、種子を持ち帰るべし、ですよね。
もっとも、このエンレイソウのようにゆっくり育つ植物は繊細で、なかなかうまく育てられませんが・・・ エンレイソウに近い仲間で、外国種で育てやすいものの苗は販売されています。
投稿: そよかぜ | 2007年5月 9日 (水) 00時19分