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2007年5月31日 (木)

アカシジミ

Akasijimi070527
 堺市と大阪狭山市の境にある陶器山で、ゼフィルスの一種のアカシジミを見つけました。
 ゼフィルス(zephyrus)とは、樹上性のシジミチョウの仲間の総称で、ゼフィルスの多くはブナ科の植物を食草としています。 このアカシジミの食草も、クヌギ・コナラなどのブナ科です。
 我家から20分位の所にある陶器山は、クヌギやコナラなどの雑木林の美しい所で、尾根伝いに整備された天野街道が伸びていて、市民の散策の場となっています(下の写真)。

Amanokaidou070602_1

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 NPO「あまの街道」は、泉北ニュータウンと狭山ニュータウンに挟まれたこの緑の環境を維持しようと、熱心に活動されています。

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2007年5月30日 (水)

ヨモギハムシ

Yomogihamusi

 ヨモギにいたヨモギハムシです。
 5月14日に紹介したコガタルリハムシに似ていますが、こちらの方が少し大きくて、写真の個体で体長9mm。 胸部の形も違いますし、コガタルリハムシの産卵時期が春であるのに対し、ヨモギハムシの産卵時期は秋です。
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 上のヨモギハムシのすぐ傍、同じヨモギに下の写真のゾウムシがいました。 こちらは小さくて、体長5mm。 ヒメゾウムシの仲間だと思うのですが、手持ちの図鑑には載っていませんし、インターネットで調べても分かりませんでした。 小さすぎて注目されなかったのでしょうか? 心当たりの情報をお持ちの方は、お知らせください。

◎ 名前が分かりました! → こちら

Himezoumusi_sp070527_1

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2007年5月29日 (火)

ヤマトシリアゲ

Yamatosiriage070526

 ヤマトシリアゲは、シリアゲムシの仲間では最も普通に見かける種類で、北海道から九州にかけて分布します。 頭部が長く前に伸び、先端の口器から黒褐色の消化液を出して、死んだ昆虫の体液などを吸います。 この仲間は、昆虫の祖先的な形態を多く残していて、飛び方も弱々しく、飛んでもすぐに近くにとまります。
 上の写真は、5月26日に泉北ニュータウンの槙塚台で写したオスです。 オスは、写真のようにお尻をクルリと巻き上げていて、交尾の時は尾のハサミでメスを押さえつけます。
 上の写真のように、初夏に見られる個体は黒っぽいのですが、秋には、黄色っぽくひとまわり小さい個体が見られます(下の写真:昨年の9月23日に堺市南区逆瀬川で撮影)。 この黄色いタイプは、昔は別種と思われていて、ベッコウシリアゲと呼ばれています。

Yamatosiriage060923

 ヤマトシリアゲに関する記事は、こちらにもあります。

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2007年5月28日 (月)

ニオイバンマツリ(ブルンフェルシア)

 ニオイバンマツリ(Brunfelsia autralis)は、ブラジル南部からアルゼンチンにかけての原産の、ナス科の植物です。 比較的低温にも強いので、我家の周辺でも、路地植えの家もよく見かけるようになってきました。 「バンマツリ」は「蕃茉莉」で、「舶来のジャスミン」といった意味です。
 花は咲き始めは紫色ですが、次第に白くなり、名前のとおり良い香りがします。

Brunfelsia070526_1

 花は一見、放射相称(花の真上から見て、対称軸が5本)のように見えます。 しかし、花の大きさに比べて小さな中心部のメシベ・オシベのあるところを拡大すると、

Brunfelsia070527_1

上の写真のように、左右相称であることが分かります。
 左右相称の花は放射相称の花より進化していると考えられています。 放射相称の花が多いナス科にあって、花冠の形はまだ放射相称のままですが、左右相称に向かって一歩前進した植物といったところでしょうか。
 花の断面を見ても、オシベもメシベも下を向いていて、花筒の下に侵入するものに花粉を媒介してもらおうとするつくりになっています。

Brunfelsia070527_2

 もう一度、花の正面からの写真を見ていただくと、紫の花の中心部が白くなっていて、その白い部分が少し下にずれています。 花は虫たちに、この白い部分の中心に蜜があることを教えているのでしょう。

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2007年5月27日 (日)

ササグモ

Sasagumo070527

 ササグモは網を張らない徘徊性のクモです。 ササの上にいるとは限らず、樹の葉の上など、いろんな所にいます。
 今日はなぜか、あちこちで見かけました(上下の写真とも、今日の撮影です)。 下の写真では、触肢で獲物をしっかりと確保しています。

Sasagumo070527_2

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2007年5月26日 (土)

アトモンサビカミキリ

Atomonsabikamikiri_1
 自宅の近くにあるフォレストガーデンのナラガシワの樹上でアトモンサビカミキリを発見しました。
 高い所だったので、枝を少し動かしたら逃げ出しました。 動きまわる1cm足らずの昆虫を陽の当たらない(=シャッタースピードが遅くなる)場所で撮影するのは至難の業。 家に持ち帰って“スタジオ撮影”(上の写真も下の写真も)しました。 下は家に植えてあるシラカシの葉に乗せて撮影したものです。

◎ アトモンサビカミキリはこちらにも載せています。

Atomonsabikamikiri_2

 

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 フォレストガーデンではクリの花が咲きだしていました。 花には、ツマグロキンバエなどのハエの仲間やベニカミキリなど、たくさんの昆虫が集まっていました。
 あと10日もすれば、クリの花の最盛期。 虫たちの大騒ぎが始まります。

 

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2007年5月25日 (金)

ナガミヒナゲシ

 ナガミヒナゲシのことは4月1日の記事で紹介しましたが、このナガミヒナゲシが種子の散布を始めています。 風などで揺れるたびに、実の上部にできたスリットから種子がばらまかれます。

Nagamihinagesi070520

 花の写真も載せておきます。 こちらは今年の3月30日に撮影したものです。

Nagami_hana070330

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2007年5月23日 (水)

糞虫

 糞虫は、動物の糞を餌に子供を育てる甲虫です。 「ファーブル昆虫記」の糞虫スカラベ・サクレの話は有名ですし、古代エジプトでは、スカラベを太陽の神の化身とみなしていました。 その糞虫の仲間は、泉北ニュータウンの町のど真ん中にもいます。
 糞を棒でつつくアラレちゃんの世界、そのフントウの結果、そこで見たものは・・・

 今日はそのことを書こうと思ったのですが、糞の拡大写真が突然目に飛び込んでくるのはどうかな? と思い、私のホームページのほうに載せました。 糞の写真なんか大丈夫!という人は、ここをクリックしてください。 ただし、繰り返しますが、クリックした瞬間に糞の大写しが画面に広がりますので、ご注意くださいね。

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2007年5月22日 (火)

エノキトガリタマフシ

Enokitogaritamafusi

 エノキの葉にトンガリボウシ。 エノキトガリタマフシといいます。
 じつはこれ、虫えい(=虫こぶ)で、中を割ってみると、幼虫が元気に動いていました。 エノキトガリタマバエの幼虫です(下の写真:H19.5.12.堺市のフォレストガーデンで撮影)。
 エノキトガリタマバエは、エノキの新葉が展開する時期に合わせて羽化し、エノキの葉に産卵します。 産卵の刺激を受けたエノキの葉の組織は、幼虫を包み込むように肥大し、幼虫はその中で、安全な住居と餌とを保障されて育ちます。
 間もなく、この虫こぶは落下します。 そしてその中でサナギとなったエノキトガリタマバエは次の年の春まで休眠するのです。

Enokitogaritamabae

 先ほど「安全な住居」と書きましたが、葉についた“トンガリボウシ”は鳥に食べられることもあるようです。 中においしい餌の入っていることを学習した鳥たちにとっては、かえって目立つ逃げない餌ですものね・・・。 早々と落ちてしまうのは、鳥たちから逃れることにも役立っているのでしょう。

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2007年5月21日 (月)

ツクバネソウ

Tukubanesou070519

 これも5月19日に金剛山で見ました。 名前はもちろん、お正月の羽根つきのつくばねに似ているから。
 ツクバネソウはユリ科の植物で(注1)、この植物にも花弁はありません。 ユリ科はもちろん単子葉植物。 単子葉植物には基本数が3のものが多いのですが、ツクバネソウの基本数は4。 輪生する4枚の葉の中心から出た茎の先に咲く花は、ガクが4枚、オシベが4×2の8本、メシベは4本の花柱からなります。

※ ツクバネソウのオシベのおもしろい性質はこちらに載せています。

(注1) APG植物分類体系では、ショウジョウバカマやエンレイソウなどと共に、シュロソウ科に分類されています。

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2007年5月20日 (日)

ヤマブキソウ

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 昨日金剛山で見た植物を続いて紹介しましょう。 ヤマブキソウの群落です。 18日夜の強い雨にあたって花はかなり痛んでいましたが、それでも人目を引く黄色のこれくらいの群落になると、やはり感動ものです。
 ヤマブキソウの名前はヤマブキに似ているから。 でも、ヤマブキはバラ科であるのに対して、ヤマブキソウはケシ科です。 ヤマブキの5枚の花弁に対して、ヤマブキソウは4枚。 果実の様子も全く違います。
 茎を切ると黄色い乳液が出てきて、舐めると非常に苦い。 さすがにケシ科の味です。

Yamabukisou070519_2

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2007年5月19日 (土)

ヤマシャクヤク

Yamashakuyaku_1
 ヤマシャクヤクを見たくて、金剛山に登ってきました。
 昨夜の強い雨に打たれ、今日もガスがかかっていましたが、幽玄の世界に浮かび上がる白い花に心打たれました。

 よく栽培されているシャクヤクの原産地は中国北部・モンゴル・シベリア東南部・朝鮮半島北部で、それがヨーロッパやアメリカで品種改良されたものです。 一方、ヤマシャクヤクは、本州中部以西から朝鮮半島にかけて分布し、写真のように花弁は完全に開きません。

Yamashakuyaku_2

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2007年5月18日 (金)

コマユバチ

 米粒をいっぱい体につけたようなガの幼虫(名前はまだ調べていません)がいました(堺市にあるフォレストガーデンで撮影)。 でも、この“米粒”、よく見ると、みんな口が開いています。

Komayubachi070512

 じつはこれ、コマユバチ(たくさんの種類がいます)のマユの抜け殻です。 コマユバチがこのガの幼虫に卵を産み、ガの幼虫の体内に寄生して育ったコマユバチの幼虫が、ガの幼虫の体の外に出て繭を作り、成虫になって飛び去った後だと思われます。
 寄生されていたガの幼虫は、まだゆっくりですが、動いていました。 でもこれだけ寄生されたら、もう余命はあまり無いでしょう。

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2007年5月17日 (木)

キンイロジョウカイ、セボシジョウカイ、クビボソジョウカイ

 ジョウカイボンの仲間(ジョウカイボン科)を3種類紹介しましょう。 この仲間は、やわらかい上翅を持っていて軟鞘類と呼ばれていますが、決して温和な性格とは言えず、幼虫も成虫も、どう猛な肉食です。
  ※ ジョウカイボンの名前の由来などについては、私のHPをご覧ください。

 下の写真はキンイロジョウカイですが、ガブリと青虫に鋭い牙をつきたてています。(堺市泉北ニュータウン槙塚台で撮影)

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 同じ草むらに、セボシジョウカイとクビボソジョウカイがいました。 一見ハナカミキリの仲間のようにも見えますが、初めに書いた上翅の固さや口器の構造で区別できます。 もちろんみんな肉食です。

Sebosijoukai

  セボシジョウカイ

Kubibosojoukai

  クビボソジョウカイ

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2007年5月16日 (水)

シロオビアワフキ

 この季節、いろんな植物に写真のような泡のついているのが見られます。 写真の植物は、クサイチゴです。

Siroobiawafuki_3

 泡を取り去ってみると、中に赤と黒の美しい小さな虫。 上の写真と下の写真は、ほぼ同じ拡大率になるように写しました。

Siroobiawafuki_2

 この虫は、シロオビアワフキの幼虫です。 アワフキムシの仲間は、ウンカやヨコバイなどに近い仲間で、植物の汁を吸って生きていますが、アワフキムシの仲間の幼虫は、お尻から糖タンパクを含んだ、つまり粘性の高い液を出して空気と混ぜ、最初の写真のような泡を作って、その中で暮らします。
 泡を取り去ると、真っ赤な腹部をさかんに伸ばしたり縮めたりして泡を作ろうとしていました。
 下の写真はきれいに泡を取り除き、幼虫を拡大して写したものです(写真のクリックで、さらに拡大します)。

Siroobiawafuki_1

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2007年5月15日 (火)

タツナミソウ

Tatsunamisou_1

 花が同じ方向を向いて咲くのを、寄せる波に見立てて「立浪草」。

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 ツボミの状態も、なかなかおもしろい。 私は、水槽にくっついているオタマジャクシの集団(裏から見ている)を連想してしまいました。

Tatsunamisou_3

 タツナミソウの仲間も、ホナガタツナミ、オカタツナミソウ、コバノタツナミ、ヤマタツナミソウなどなど、たくさんの種類があって、見分けるのはなかなか難しいものです。 ここで紹介したのは正真正銘の「タツナミソウ」で間違いないとは思っていますが、100%の自信はありません(H19.5.13. 堺市南区逆瀬川で撮影)。

※ サイドバーの「リンク」にある「多摩ニュータウン植物記」では、オカタツナミソウコバノタツナミが紹介されています。

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2007年5月14日 (月)

コガタルリハムシ

 コガタルリハムシに食い荒らされて、ギシギシの葉はボロボロ。

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 でも、1頭ずつ見ると、光沢があって、なかなか美しいハムシです。

Kogatarurihamusi

 コガタルリハムシは、成虫も、真っ黒な幼虫も、ギシギシやスイバなどの葉を食べて育ちます。

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2007年5月13日 (日)

バンの子供

Bann070513_1

 近所の池にバンが住み着いていますが、今年も子供が育っていました。 まだ親とは全く違った色で、しぐさにもあどけなさが残っています。

Bann070513_2
 ちなみに、昨年の10月28日に撮った親の写真はこちら
(今日も親は確認できましたが、薄暗いところで動き回っていて、載せられるような写真は撮れませんでした。)

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2007年5月12日 (土)

ツマグロヒョウモンの幼虫を攻撃するクロヤマアリ

Tsumaguro_youchuu

 クロヤマアリがツマグロヒョウモンの幼虫を攻撃しているところに出会いました。
 ツマグロヒョウモンの幼虫の食草はスミレ。 最近はパンジー(これももちろんスミレの仲間)があちこちに植えられていますので、これを食べて育ったツマグロヒョウモンが町の中でもよく飛んでいます。 この幼虫も、たぶん近くのパンジーを食べて育っていたのでしょう。 それが花壇を手入れする人に見つかり、捨てられたところをクロヤマアリに見つかったんだと思います。
 幼虫の鋭いトゲも、アリにとっては引きずるために咬みやすい手ごろな場所のようです。

Kuroyamaari


 参考までに、ツマグロヒョウモンの成虫の写真を載せておきます。 昨年の7月16日に撮ったものです。

Tumaguro060716

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セスジハリバエ

Sesujiharibae

 ヒメジョオンの花に来ていました。
 このセスジハリバエはヤドリバエの仲間に属します。 ヤドリバエは他の昆虫の幼虫やサナギに寄生しますので、うまく利用すれば、農作物の害虫を農薬を使わずに殺すこともできます。 しかし、ヤドリバエも種類が多く、何が何に寄生するのか、よく分かっていないようです。

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2007年5月11日 (金)

アカスジチュウレンジ

 “ご近所シリーズ”に戻ります。 5月3日、アカスジチュウレンジがニシキギの花に来ていました。
(1週間遅れになりました。 春は紹介したいことがいっぱいありすぎて困ります。)

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 アカスジチュウレンジ、ニホンチュウレンジバチ、チュウレンジバチは互いによく似ているのですが、胸部背面が黒一色ではないことと、後脚にオレンジ色の部分があることから、アカスジチュウレンジとしました。 チュウレンジバチの仲間はバラの害虫として有名です。 茎に産卵することで茎が折れやすくなり、幼虫は葉を食害します。
 チュウレンジバチの仲間の属するミフシハバチ科は、触角が3節あり、第1節・第2節は短く、第3節が非常に長いのが特徴です。 このことは下の写真で分かってもらえると思います(写真をクリックすると拡大できます)。

Chuurenji070503_2

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2007年5月10日 (木)

ニワハンミョウ

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 ニワハンミョウと言っても、庭にいるとは限りません。 いろんな所にいるようです。 これは金剛山を上りかけたところにいた個体です。 あの美しいハンミョウ(ナミハンミョウ)と同じように“道案内”をしてくれていました。

 他の昆虫にも言える事ですが、体の模様には個体差があります。 この個体の翅の白い部分は多くのニワハンミョウより小さくなっています。

 このままいくと、“金剛山のブログ”になりそうなので、金剛山紹介シリーズはいったん打ち止め。 金剛山へはできれば1週間後くらいにもう一度行きたいと思っているのですが・・・ お目当ては○○○o○○○(景品はありません)

【 関連項目 】
 コハンミョウ

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2007年5月 9日 (水)

コブヒゲボソゾウムシ

Ringokofukizoumusi070504

 これも金剛山登山口の近くにいました。 ソメイヨシノの葉のあちこちで、昨日紹介したトゲヒゲトラカミキリなどといっしょにウロウロしていました。
 なぜソメイヨシノに集まっていたのか、よく分かりません。 サクラの仲間は、葉の付け根に花外蜜腺と呼ばれているいぼ状の構造(下の写真)があり、ここから蜜を出しますので、それを狙ってかもしれませんが、それにしてはあまりこの蜜腺のところには集まっていないようでした。 時間によるのでしょうか?

Kagaimitusen

 コブヒゲボソゾウムシは、最初の写真のように、きれいな色彩をしていますが、この色は体表の粉によるものです。 この粉が取れると、黒っぽい色になってしまいます。

◎ 「リンゴコフキゾウムシ」として書いてあった記事を、'08年5月31日に訂正しました。 コブヒゲボソゾウムシはリンゴコフキゾウムシよりも胸部の周りが細く、前肢の中間部に太さの違う段差が見られません。 名前のように触角が長く、翅の会合部に沿って鱗片のないものが多いようです。

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2007年5月 8日 (火)

トゲヒゲトラカミキリ

 金剛山の登山口近くに、ウワミズザクラが咲いていました。
 (コメント欄はウワミズザクラの解説のようになっています。)

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Uwamizuzakura070504_2

 そこにたくさんのトゲヒゲトラカミキリが来ていました。

Togehigetorakamikiri_070504_1

 カメラを近づけると、逃げ回り、弱い飛翔力で飛び回り、私の手の甲や服に止まるなど、大騒動。
 トゲヒゲトラカミキリは、春から夏にかけて、いろんな花で見られる、1cm前後の小さなハナカミキリですが、これほどたくさんのカミキリに出会えたのは久しぶりでした。

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2007年5月 7日 (月)

エンレイソウ

 ニリンソウ・イチリンソウと、花弁の無い花を紹介しましたので、ついでにもう1種、5月4日の金剛山で撮った写真から紹介します。

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 エンレイソウです。 葉も3枚ですが、花で3枚あるのは、やはりガク。 ガクは長持ちして、果実の状態になっても残っています。
 その昔、最初にエンレイソウの花を見たときは、子房が膨れて、もう実になりかけていると思いました。 それほど太いメシベです。 でも、この状態が花の盛りであることは、花に集まる虫が教えてくれています。

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 エンレイソウは漢字で書くと、延齢草。 根茎は食あたり、腹痛の薬として用いられ、命を延ばすのでしょう。

 ところで、春先の短い期間しか光合成できないカタクリは、種子が発芽してから開花まで7~8年、場合によってはそれ以上かかりますが、このエンレイソウの仲間も、種子が発芽してから10~15年かけてやっと開花します。 発芽して5年くらいは、ササ状の小さな葉が1枚のみ。 そして、葉が3枚になってさらに5年以上を経て、やっと花をつけます。
 光が十分でない林床で、毎年少しずつ光合成で株を充実させ、やっと花を咲かせることができるわけですが、花を咲かせて種子を作らないと子孫を増やすことはできません。 子孫を増やすためには、それまでずっとその場所で生育し続けることができる安定した環境が、この植物には必要なのです。

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2007年5月 6日 (日)

ヤマエンゴサク

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 5月4日の金剛山には、ニリンソウより少しだけ早く咲きだすヤマエンゴサクも、まだたくさん残っていました。
 基本的な花のつくりは、ムラサキケマンミヤマキケマンなどと同じ。 ただそれらよりずっとか弱く清楚な感じがします。

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 ちなみに、「エンゴサク」とは、この仲間の中国名「延胡索」から来ています。 延胡索は、その塊茎を生薬の一種として使い、鎮痙、鎮痛作用などがあるとされています。
 ヤマエンゴサクの仲間にも、ジロボウエンゴサクエゾエンゴサクなど何種類かありますが、「○○ケマン」と「○○エンゴサク」とは、塊茎の有無で区別しています。

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イチリンソウ

Ichirinsou070504_1

 ニリンソウほど大きな群落はありませんが、5月4日の金剛山にはイチリンソウも咲いていました。
 イチリンソウとニリンソウは同じ Anemone属の仲間ですが、違う種類です。 一輪しか花をつけていないニリンソウとイチリンソウを同じにしてはいけません。 ただし、花弁に見えるのはガクであること、裏から見るとほんのりピンクがかっていることなどはよく似ています。
 花の径はニリンソウの倍ほどの4cmくらいあります。 ガクの枚数は5~6枚が普通ですが、もっと多いものもあります。 葉も裂け方が細かく、先がとがっている感じです。 昨日のニリンソウの写真と比較してみてください。

Ichirinsou070504_2

 ちなみに、本州中部以北には、サンリンソウもあるんですよ。

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2007年5月 5日 (土)

ニリンソウ

 昨日、みどりの日にはみどりの中へ、と、大阪府と奈良県の境にある金剛山に行って来ました。 毎年5月3日は登山回数の多い人の表彰があって混むので、1日ずらしたのですが、それでもたくさんの人。
 お目当てはニリンソウ。 きれいに咲いていました(写真をクリックし、拡大してお楽しみください)。
 ※ 場所はサイドバーの地図に入れておきましたが、縮尺が大きすぎました。 地図の[-]ボタンで地図を縮小(広域表示)してご覧ください。

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 4月21日に、葛城山のカタクリを載せましたが、このニリンソウも、落葉樹がまだ葉を十分展開しないうちに光合成をし、花を咲かせ、あとは長い眠りにつく植物です。 花の時期が短いので、みごとに咲きそろいます。 そして短期間に成長する必要性からか、繊維質が少ないため、枯れた姿を見せずに、消えるように地上から姿を消してしまいます。 このニリンソウなどは、種子が地上に落ちるころにはまだ胚ができていないという慌しさです。
 日本より緯度が高く、ブナ帯(夏緑樹林帯)が平地にあるヨーロッパでは、このような植物をすぐ身近に見ることができ、そのはかなさから「 Spring ephemeral 」と呼び、親しんでいました。
 Spring ephemeral にも少しずつ花の盛りの時期にズレがあって、金剛山では、カタクリ、ヤマエンゴサク、ニリンソウとつづきます。

 ところでこのニリンソウ、川中美幸の歌ですっかり有名になりましたが、必ず2輪咲くとは限りません。 環境の悪い条件では1輪のことが多く(イチリンソウは別の植物です)、逆に良く育った株では3輪のこともあります。 最初の写真ではちゃんと2輪咲いている株を一番前にして写しましたが、下の写真では片方はまだツボミです。

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 ところで、今までの話と少し矛盾しますが、最初の写真、あまりにもきれいに咲きそろっていると思いませんか? ニリンソウは1週間ほど前から咲きだしています。 それにしては、このかよわい印象を与えてくれるニリンソウの花に、しおれた花びらも散った花びらも見当たりません。
 じつはニリンソウの花びらのように見えているのは、ガクなのです。 全部ガクだと聞いてガクゼンとした人がいたとか・・・(スミマセン)
 ニリンソウの属するキンポウゲ科の植物には、花弁化したガクを持つものも多いのですが、私は、花弁より葉的要素の強いガクのほうが、花弁よりは丈夫で長持ちする印象を持っています。
 もう一度写真をじっくり見てください。 横から写っている花の白い花弁様のものの下に緑のガクは無いことが確認いただけると思います。
 ちなみに、花を下から見ると、ほんのりピンク色になっていて、上から見るのとはまた違った印象を与えてくれます。

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2007年5月 3日 (木)

エッ!

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 コアオハナムグリとツマグロキンバエがヒメジョオンの上でばったり!
 ツマグロキンバエの方は、花粉を舐める気満々で、口器を長く伸ばしきっていたのに・・・

ツマグロキンバエ:
 クロバエ科に属し、眼の縞模様が美しいハエです。
コアオハナムグリ:
 ちょうど成虫になる時期で、今日(5月3日)は、あちこちで飛びまわっていました。

 ツマグロキンバエの写真をもう1枚、今度は背中の写っているものを。
 ジャーマン・カモミールに来ていた個体です。 これも今日写しました。
 ツマグロキンバエは衛生害虫ですが、こうしてみるとなかなか美しいハエです。

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※ 今日はぜひ画像をクリックして大きな写真でお楽しみください。

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2007年5月 2日 (水)

ハグロケバエ

 アケビにたくさんのハグロケバエが群れていました。 4月28日、10時半前後のことです。 写真では右上に1頭飛んでいますし左下には交尾中の個体がいます。

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 配偶者を求めて集まっているのでしょうが、たまたま群がった場所がアケビだったのでしょうね。

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 上はメス、下はオスです。 オスは複眼が発達していて、くっついています。 大きな複眼で、懸命にメスを探すんでしょうね。 いずれにしても、私はこのつや消しの黒い色が好きです。

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 同じケバエの仲間のメスアカケバエについて、こちらで記事にしています。

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2007年5月 1日 (火)

ムシクソハムシ

 少し薄暗くなりかけてきた4月30日の午後5時前、クヌギの葉の表面にいるのを発見しました。

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 このムシクソハムシ、予備知識が無いと、まず見過ごしてしまうでしょう。 それほど、色、形、大きさとも、肉眼では「虫の糞」にそっくりです。 体長は3mmほどしかありませんから、よほど注意しないと、肉眼では足があることも分かりません。 特に今日は3頭が一列に並んでいました(よく見れば交尾中)ので、虫の糞が点々と・・・ としか見えません。
 頭部はグッと下に折りたたまれています。 黒い複眼が、上の写真では中央の個体で、下の写真では3個体とも写っていますが、どれが頭部か分かりますか?(写真をクリックすると拡大します) 触角もなかなか見えず、まさしく円筒形の「糞」です。
 さらに、動きません。 交尾中だから特にでしょうか。 触っても微動だにしませんでした。
 興味をひかれたのは、1頭目と2頭目は交尾中ですが、2頭目と3頭目もつながっていたことです。 3頭目の足が2頭目の背中に引っかかっているように見えました。 “虫の糞が点々と・・・”と見えるようにしているのでしょうか?

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 あまり動かないので、無理やりひっくり返してやると、交尾姿勢のまま、足をせわしなくバタつかせていました。 けっこう機敏に動けるんだ! と、妙に感心しました。

 このムシクソハムシはコブハムシ属の一員です。 発生時期は違いますが、同じコブハムシ属でよく似た形態のツツジコブハムシ(ツツジムシクソハムシ)や、その幼虫の生活については、こちらで紹介しています。

(2012.5.20.追記)
① 参考のため、本物のムシクソの写真を載せておきます。 写真の上にいるクワゴマダラヒトリの幼虫が落としたものです。

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② 最初の記事から5年、私の撮影機材も“進化”し、小さなものをもう少し大きく撮る事ができるようになりました。 ムシクソハムシは毎年のように見ていますが、最近撮ったコナラの葉にいる写真を下に載せておきます。 顔がちゃんと分かると、「普通の昆虫」になってしまいますが・・・。

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