少し薄暗くなりかけてきた4月30日の午後5時前、クヌギの葉の表面にいるのを発見しました。
このムシクソハムシ、予備知識が無いと、まず見過ごしてしまうでしょう。 それほど、色、形、大きさとも、肉眼では「虫の糞」にそっくりです。 体長は3mmほどしかありませんから、よほど注意しないと、肉眼では足があることも分かりません。 特に今日は3頭が一列に並んでいました(よく見れば交尾中)ので、虫の糞が点々と・・・ としか見えません。
頭部はグッと下に折りたたまれています。 黒い複眼が、上の写真では中央の個体で、下の写真では3個体とも写っていますが、どれが頭部か分かりますか?(写真をクリックすると拡大します) 触角もなかなか見えず、まさしく円筒形の「糞」です。
さらに、動きません。 交尾中だから特にでしょうか。 触っても微動だにしませんでした。
興味をひかれたのは、1頭目と2頭目は交尾中ですが、2頭目と3頭目もつながっていたことです。 3頭目の足が2頭目の背中に引っかかっているように見えました。 “虫の糞が点々と・・・”と見えるようにしているのでしょうか?
あまり動かないので、無理やりひっくり返してやると、交尾姿勢のまま、足をせわしなくバタつかせていました。 けっこう機敏に動けるんだ! と、妙に感心しました。
このムシクソハムシはコブハムシ属の一員です。 発生時期は違いますが、同じコブハムシ属でよく似た形態のツツジコブハムシ(ツツジムシクソハムシ)や、その幼虫の生活については、こちらで紹介しています。
(2012.5.20.追記)
① 参考のため、本物のムシクソの写真を載せておきます。 写真の上にいるクワゴマダラヒトリの幼虫が落としたものです。
② 最初の記事から5年、私の撮影機材も“進化”し、小さなものをもう少し大きく撮る事ができるようになりました。 ムシクソハムシは毎年のように見ていますが、最近撮ったコナラの葉にいる写真を下に載せておきます。 顔がちゃんと分かると、「普通の昆虫」になってしまいますが・・・。
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