カンアオイ(ミヤコアオイ)
昨日のギフチョウとくれば、カンアオイ。 ギフチョウの幼虫の食草です。
カンアオイの仲間にはたくさんの種類があり、花のつくりや花の時期が少しずつ違います。
葛城山(大和葛城山)にあるのはミヤコアオイ。 4月が花の時期。 ちゃんと咲いていましたよ。
上と同じ株の花の部分の拡大です。
目立たない色の花ですが、花に袋をかぶせて虫たちが近づけないようにしておくと、種子ができないことから、誰かが花粉を媒介しているのは間違いありません。 そして、花のつくりは、色とは似合わず、複雑です。
まず、花弁は退化しています。 花の外観を作っているのは、筒状になったガク(ガク筒)です。 ガク筒の上部はつよくくびれていて、ガク筒の入り口は狭くなっています。
花の断面を写したのが下の写真です。
中央にニョキッと伸びているのが花柱。その周囲を取り囲むようにオシベの葯が外側を向いて配列しています。 そして、ガク筒の内壁には、格子状にひだが発達しています。
ミヤコアオイの花粉を媒介するのは、キノコに集まるキノコバエではないかといわれています。 ガク筒内壁のひだは、キノコのひだに擬態しているのではないかとする説もあります。
いずれにしても、ギフチョウが増えるためには、ミヤコアオイなどのカンアオイの仲間が増える必要があります。 そのためにはたくさんの種子を作ってもらわねばなりません。
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コメント
カンアオイと言えばギフチョウですか。
あの葛城山で見つけはったんですね、スゴイ!
我が家の庭では
サンショウの木と言えばアゲハチョウです。
子供がまだ可愛く小さかった頃、サンショウの木の青虫をサンショウの葉っぱだけを餌にアゲハチョウまで育てた思い出があります。
ちっちゃな黒い虫が青虫になって蛹になり
アゲハチョウが出てきたときはカンゲキでした
ところがですね。クリクリおめめのクチナシの青虫はどうも歓迎されていないようです・・・
投稿: わんちゃん | 2007年4月26日 (木) 23時12分
「カンアオイと言えばギフチョウ」ではなく、「ギフチョウといえばカンアオイ」です。
カンアオイのあるところにギフチョウがいるとは限りませんが、ギフチョウのいるところには、必ずカンアオイがあります。ギフチョウの幼虫はカンアオイしか食べませんからね。
アゲハチョウも他の昆虫も、幼虫はすごい偏食で立派に育つんですよね。
クチナシの青虫はオオスカシバの幼虫でしょうか?
オオスカシバも成虫になると活動が活発でなかなか写真に撮れませんが、脱皮して成虫になるときはいい被写体です。
それに鱗片を落として透明な翅になる時って、面白いですよ。
投稿: そよかぜ | 2007年4月28日 (土) 07時44分
あぁ、そうなんですか?
クチナシの青虫ちゃんは「どうせ蛾になるんやわ」としか観てませんでしたが、
そよかぜさんにかかるとスポットライトを浴びるんですね・・・
クチナシの青虫ちゃん、むげにできないですね・・・・
投稿: わんちゃん | 2007年4月28日 (土) 14時48分
そよかぜさん、今晩は♪
いつも、楽しく拝見しています。
新潟の春の妖精、オミスミソウも終わってから、ギフチョウが舞うようになってきました。カンアオイとギフチョウの関係ですが、日本海側ではその相関が結構強いように感じています。
投稿: ニコラス・屁イジ | 2009年4月21日 (火) 19時59分
ギフチョウ、いいですね。大阪付近では見ることのできる場所が非常に限定されています。
カンアオイの仲間はたいへん種類が多く、それぞれの地方でギフチョウがどのカンアオイの仲間に産卵するのかも調べてみるとおもしろいのでしょうね。
投稿: そよかぜ | 2009年4月22日 (水) 06時50分