カテゴリー「昆虫07 ハチ」の161件の記事

2014年6月25日 (水)

ルリジガバチ、ヒメハキリバチ、ジガバチモドキの一種

 5月中旬にサイジョウハムシドロバチナミハセイボウのいた東屋に行ってみました。
 茅葺屋根に営巣するハチはすっかり変わっていて、ルリジガバチ、ヒメハキリバチ、ジガバチモドキの一種などが飛び回っていました。

● ルリジガバチ(アナバチ科)

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 ルリジガバチは、クモを幼虫の餌として竹筒などに営巣します。 体の長さのわりには、細身を活かして、思ったより小さな穴に出入りできるようです。 大きいだけあって、動きは速く、主に屋根の上を飛び回っていて、とても写真には撮れませんでした。
 写真は東屋の柱や壁にとまった瞬間を撮ったものです。

● ヒメハキリバチ(ハキリバチ科)

 写真はヒメハキリバチだと思いますが、自信はありません。 飛びながら茅葺屋根の穴を選ぶのには時間をかけますが、選んだ穴に入るのは素早く、穴から出る時はもっと速く、とまっている時間はほとんどありません。

● ジガバチモドキの一種(ギングチバチ科)

 ジガバチモドキの動きもヒメハキリバチに似ていて、なかなか満足な写真を撮らせてくれません。 ジガバチモドキには多くの種が知られていて、この写真から種を絞り込むことは諦めました。

※ これらの茅葺屋根の蜂の巣に寄生するセイボウの仲間を期待したのですが、今回は残念ながら見ることはできませんでした。

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2014年6月 3日 (火)

コマルハナバチ

Komaruhanabachi140518_1

 モチツツジの花に来ていた写真の蜂はコマルハナバチだと思います。 このブログでは前にトラマルハナバチオオマルハナバチを載せていますが、マルハナバチの仲間は、野生植物も作物も含め、多くの植物の主要な花粉媒介者(ポリネーター)です。

 コマルハナバチはマルハナバチの仲間のうちでは春にいちばん早く出現し、他のマルハナバチの多くが秋まで活動するのに対し、6月には新女王蜂が出てきて、コロニーを解散してしまいます。
 新女王蜂は来年の春まで土の中で過ごし、春に目覚めた女王蜂は働き蜂を産み、コロニーを形成します。
 写真の蜂は5月18日の撮影ですが、大きさからして女王蜂だと思います。 働き蜂は女王蜂の体長の半分ほどしかありません。 巣を作り働き蜂を産みと働き詰で、翅は擦り切れ、毛も少なくなっているようです。

 コマルハナバチの体は、腹部の先端付近のオレンジ色と、個体によっては腹部に黄色い帯を持つ以外は、フサフサの黒い毛で覆われています。
 クロマルハナバチも、腹部の先端付近のオレンジ色以外は黒い毛で覆われていますが、クロマルハナバチの毛は短く整っていて、写真のようなボサボサの状態にはなりませんし、舌が短く、花筒が短い花を好む傾向があるようです。

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2014年6月 1日 (日)

ヒメコバチ科 Entedon nomizonis のオス

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 写真はおちゃたてむしさんのところにも載せられているヒメコバチ科の Entedon nomizonis のオスだと思います。 体長は2.5mmほどでした。 5月24日に大阪城公園のケヤキの葉にいました。

 冬季にはこのような小さな蜂をたくさん載せていますが、最近はあまり載せていません。 ひとつには暖かくなって虫が活動的になって撮る前に逃げられるということもあるでしょうし、大きな虫が目立ち、そちらに目を奪われて小さな虫をあまり探さなくなったということもあるでしょうが、それぞれの虫の生活史の関係で、どうも数mmの小さな成虫が少なくなっているように思います。
 そんななかで、この蜂は、おちゃたてむしさんのところに載せられているものも、6月4日に撮影されたものです。 オスが見られるということは、今の時期がこの蜂の繁殖時期なのかもしれません。
 この蜂はノミゾウムシの幼虫に寄生するようです( 詳しくはおちゃたてむしさんのコメント欄を参照してください)。 写真の蜂がどのノミゾウムシの幼虫に寄生していたのかは不明ですが、同じ大阪城公園のケヤキで、昨年の4月下旬にたくさんのノミゾウムシの幼虫を確認していますので、参考に下に載せておきます。

 ノミゾウムシの幼虫は葉の葉肉部分にいます。 幼虫に葉肉を食べられた葉は、その部分が褐色になっています(上の写真)。 この褐色になった部分を破ると、下のようなノミゾウムシの幼虫を見ることができます。

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2014年5月27日 (火)

スミゾメハキリバチ

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 ハキリバチがマルバノキの葉を切っていました。 たぶんヤマトハキリバチだと思います。ムナカタハキリバチの亜種スミゾメハキリバチ( Megachile willughbiella sumizome )でした(コメント欄参照)。
 ちょうど陽光がスポットライトのように当たっている場所で葉を切り始めたので、その過程を追いかけてみました(下の写真)。

 葉を丸めながらスーッと切っていきます。 上の写真の場合は、切りはじめてから切り終わるまで、1分かかっていません。
 切り取った葉の側につかまっているのですから、最後の写真のように切り終える時には下に落ちるはずなのですが、切り終えた瞬間に飛行します。 この葉を抱えて飛ぶ姿を撮りたかったのですが、非常にすばやくて、うまく撮れませんでした。

 飛び立った後、数分待つと、また飛来して葉を切りはじめます。 ハキリバチは幼虫の成長に必要な量の葉を巣に運び入れ、筒状に丁寧に重ねて卵を産みつけます。

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2014年5月25日 (日)

いもむしを狙うアシブトコバチ

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 モチツツジの花にアシブトコバチが来ていました。 動きまわるのでシャッター速度を上げるために、f値を小さくしていますので、被写界深度は浅くなっています。

 このアシブトコバチはこちらに載せたのと同種ではないかと思いますが、いずれにしても種名は分かりません。

 しばらくすると、 同じモチツツジにいたいもむしを狙いはじめました。 このいもむしに卵を産みつけようとしているのでしょう。
 見ていると、ホバリングして狙いを定め、突進して触角でいもむしの体に触れ、すぐに離れるというタッチ・アンド・ゴーを何度も繰り返していました。 触角で触れるたびにいもむしが体を揺らすからでしょうが、そのうち立ち去ってしまいました。 産卵に至らなかったのは、いもむしの大きさまたは齢が適当でなかったのか、他の何者かに既に寄生されているのが判ったのか、カメラがじゃまだったのか、いろいろ考えられますが、なぜなんでしょうね。
 アシブトコバチの動きに注目しすぎて、いもむしをきちんと見ることをしなかったので、いもむしの種類も分かりません・・・。

 結局今回も太い後脚にどのような意味があるのかは、不明のままでした・・・。

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2014年5月23日 (金)

ヤママユの繭からヒメバチが羽化

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 4月、ヤママユの繭をみつけました。 繭は破れてなく、重さもあり、中にまだいるようなので、持ち帰ることにしました。
 ヤママユガは卵の状態で越冬し、春に孵化、幼虫はクヌギやコナラなどを食べて5齢まで育つと繭を作り、8月に羽化します。 4月にヤママユの蛹がいるわけはありません。 きっと何かに寄生され、繭の中では寄生者が育っているのでしょう。 繭はPET製の透明ケースにぶら下がるように木工用接着剤でくっつけ、何が出て来るのか、楽しみに待つことにしました。

 5月11日の日曜日午前8時20分、繭を入れていたケースからカリカリと音がします。 ケースで反響して音が大きく聞こえるようです。 いよいよ繭から出て来るようです。 撮影の準備をしました(上の写真)。

 上は午前9時6分に撮った写真ですが、繭の上部の糸がほぐれ、牙のようなものが少し見えます。 ヤママユガはこんな牙を持っていませんから、繭の中にいるのは、やはり寄生者です。
 しかしその後、しばらく見ていましたが、牙が少し見えたり引っ込んだりしているだけで、状況は遅々として変化しません。 数分間少し別のことをしていて、ふと見ると、ヒメバチが壁を歩いていました。 それが1枚目の写真です。 せっかくの繭を出る瞬間を撮り損ねましたが、体を出しかけると、非常に短い時間で出てしまうようです。
 1枚目の写真のように、翅は蝶や蝉の羽化の時のようにゆっくり広がってくるのではなく、繭から出た段階で広がっていました。 体は濡れていて(だから繭からスムースに抜け出ることができたのでしょう)、この後、後脚で体のあちこちをしごいて、水分を拭い去ろうとするような行動を繰り返しました。
 繭を出てからの約20分間は、歩くことはできても、飛べないようでした。 下はこの間に撮った写真です。 コンボウアメバチ亜科かとも思うのですが、よく分かりません。

 下は抜け出た後の繭を切って中を見たものです。 蛹にもヒメバチが抜け出た穴が開いていました。

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2014年5月21日 (水)

ナミハセイボウ

 ここにあった記事はこちらに引っ越しています。

 

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2014年5月20日 (火)

サイジョウハムシドロバチ

 ここにあった記事は、こちらに引っ越しています。

 

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2014年5月10日 (土)

ニッポンヒゲナガハナバチ

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 ダイコンの花に、ミツバチ科のニッポンヒゲナガハナバチが来ていました。 ミツバチ科といっても、ミツバチのように集団で社会を形成するのではなく、単独で生活し、土中に巣を造り、花粉と蜜を集めて子を育てる蜂です。
 名前のとおり、ヒゲつまり触角の大変長いハナバチです。 上の写真では、翅は震わせていますので、はっきりとは写っていません。

 同じミツバチ科で、シロスジヒゲナガハナバチという、やはり触角の長いハナバチがいるのですが、ニッポンヒゲナガハナバチの学名は Tetraloniella nipponensis、シロスジヒゲナガハナバチの学名は Eucera spurcatipes と、属が異なります。 両者は互いによく似ているのですが、いちばんはっきりと見分けることができるのは、上の写真の赤の楕円で囲った部分で、ニッポンヒゲナガハナバチの前翅には、写真のように3個の亜前縁室があるのに対し、シロスジヒゲナガハナバチの亜前縁室は2個です。

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 口器の上唇は、縦の長さより横幅が長くなっています。

(2014.4.30. 堺自然ふれあいの森)

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2014年4月26日 (土)

マルハラコバチ科の一種

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 アラカシの若葉の上にいた蜂です。 昨日記事にしたタマバチのすぐ近くにいました。 体長は5mmほどです。 タマバチのようにも見えますが、触角がタマバチの触角とは異なるようです。 コガネコバチ科かと思いましたが・・・

 写真を撮り始めると、すぐに歩きはじめました。 上の写真を見ると、頭部がおもしろい形をしています。 こんな頭部のコガネコバチがいるのでしょうか。

 おちゃたてむしさんにマルハラコバチ科だと教えていただきました(コメント参照)。 日本では Perilampus属の数種しか知られていない科で、私も初めて見る科の蜂でした。 タイトルも変更しました。
 形態的にはコガネコバチ科に似ていますが、鱗翅類やハバチの体内に寄生するヤドリバエや寄生蜂の幼虫に寄生するようです(こちら)。

 腹部には光沢があります。


真正面から

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