セアカツノカメムシとは、「背中の赤い角のあるカメムシ」という意味でしょう。 ところで、昆虫の背中ってどこ?
昆虫は頭部、胸部、腹部に分かれるというのは、小学校で習いました。 が、「背部」というのは無かったですね。 背中側、腹側という言い方が、昆虫の場合、難しくなります。
「何をかたいことを・・・ 背中とは上側でしょうが!」と、お叱りの声が聞こえてきそうですが、甲虫やカメムシの場合、上から見下ろして見える多くの部分は翅です。 背中の色って翅の色のこと?
写真はセアカツノカメムシのメスです。 上の写真のカメムシの色を学術用語を使いながら表現すると、次のようになります。
「全体は青緑色で、前胸背の前側が黄色みを帯びた褐色、前胸の横から飛び出た側角の先は黒色、小楯板は前側が赤褐色が濃く、小楯板を含め前胸背面全体に黒い点刻が見られる。」
たしかに上から見て全体的に赤っぽいカメムシではありますが・・・
それじゃ体の下側は、と見ると、これも赤っぽい。 これじゃ、ハラアカカメムシ?
じつは見てしまったのです。 飛んでいる所を・・・ 翅を広げると腹部の背面が濃い赤褐色なのです。 最初の写真で、翅の透明な部分では、その色が透けて見えていますが、腹部背面全体がこの色なのです。
このカメムシの和名をつけた人が、なぜ「セアカツノカメムシ」と名付けたのか、それは分かりません。 もしかしたら、上から見たときに赤っぽいからかもしれません。 でも、もしかしたら、翅を広げたときの腹部背面の色からの名前かもしれないと、私は思いました。
翅を広げた標本の色? とも一瞬思いましたが、このカメムシは死ぬと全体が黄色くなってしまいます。 ついでに、セアカツノカメムシは越冬すれば、体全体が茶褐色になってしまうという、いろいろ色の変化を見せてくれる虫です。
とにかく、甲虫やカメムシなどの場合、「背中」という言葉を使うときには、少し注意が必要だなぁと思った次第です。
セアカツノカメムシは、ツノカメムシ類の中では最も普通に見られる種類で、成虫はいろんな樹木の実の汁を吸っています。
上で写真の個体はメスだと書きましたが、オスは生殖節に赤色の突起を持ち、それが翅から外に飛び出しています。
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