オオキトンボ
オオキトンボは、2012年の環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類に指定されています。 大阪府下でも記録は府下全体にあるのですが、最近の生息情報は府の南部からのみのようです。
ようやく秋らしくなって重い望遠レンズもあまり苦にならなくなった今日、オオキトンボの様子を見に行ってきました。 9時半頃から10時半頃まで見ていましたが、長距離の移動もできる飛翔力のあるトンボのはずですが、思ったよりも動きは少なく、飛んでもすぐ近くにとまりました。 数頭見かけましたので、かなりいるようです。
オオキトンボはアカネ属のトンボ(いわゆる赤トンボ)です。 アカネ属の特徴の1つとして、前胸部の背面に長毛が見られます(上の写真)。
※ 以下の写真はクリックで拡大します。 「オリジナルの表示」では、1,024×768 の大きさになります。
下は逆光ぎみに翅の美しさを狙った写真ですが、もうひとつ、雌雄についても書いておきます。 オオキトンボは雌雄の差の少ないトンボですが、上4枚の写真はメスで、下はオスだと思います。 トンボの腹部は、卵が入っている分メスの方が太いのが一般的です。 また交尾時にオスは尾の先でメスの後頭部をつかみ( このつかむための付属器はきちんと撮っていませんでした (-_-; )、メスは腹部を曲げてオスの腹部第2・3節にくっつけて精子をもらいます。 このための器官として、オスの腹部第2・3節には「副性器」という飛び出た部分があります。 メスには副性器がありませんから、その部分は平らです。
上下の写真を比較してみると、メスの腹部下面には白っぽい部分があるようですね。
オオキトンボは岸辺が湿地状に広がり、抽水植物の多い開放的な比較的大きな池沼で見られています。 写真のオオキトンボのいた池は平地の皿池で、まさにこのような環境にありました。
上で赤トンボの一種と書きましたが、オオキトンボはそんなに赤くはならず、これから成熟が進むと、暗い褐色がかった色になっていくようです。
キトンボと似ていますが、オオキトンボの翅は全体が橙黄色であるのに対し、キトンボでは翅の基部に近い部分の色が濃くなっています。 また、成熟が進むとキトンボの方が明るい赤に近い色になっていきます。
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