カテゴリー「昆虫01 バッタ・カマキリ」の42件の記事

2014年1月 4日 (土)

モリチャバネゴキブリ(幼虫・成虫)

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 上はケヤキの樹皮下にいたモリチャバネゴキブリの幼虫です。 12月22日の撮影です。 モリチャバネゴキブリは、その名のとおり、森林性のゴキブリで、家の中には入ってきません。 千葉県・山形県以西に分布していて、主に平地の雑木林で暮らしています。 なお、ゴキブリの種類数からすると、家の中にいるゴキブリより、森林性のゴキブリの方がはるかにたくさんの種類がいます。
 モリチャバネゴキブリの成虫は下に載せておきます。


(2012.6.24. 堺自然ふれあいの森)


(2012.7.24. 河内長野市 寺ヶ池公園)

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2013年10月17日 (木)

ハヤシノウマオイ

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 ハヤシノウマオイとハタケノウマオイは、鳴き声は違いますが、外見はとてもよく似ています。 「堺自然ふれあいの森」で撮った写真のウマオイは、メスで鳴きませんが、いた場所から、ハヤシノウマオイだと思います。

 ハヤシノウマオイもハタケノウマオイも、他の昆虫を捕らえて食べています。 前脚にも中脚にも長く鋭いトゲが目立ちますが、これもその時に役立っているのでしょう。
 複眼の上部には褐色の部分があるのは、ヤブキリなどと見分ける時に役立ちます。

 ハヤシノウマオイの鳴き声は、昔から「スィ~~チョ(ン)」とされ、名前も、この声が馬子が馬を追う時の声のようだということでつけられています。 しかし、もちろん写真の個体ではありませんが、私の耳には、どうしても「チョッジ~~~」としか聞こえません。

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2013年10月13日 (日)

イボバッタ

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 イボバッタの名前は、上の写真の赤い矢印のように、前胸背面にイボのような突起が2つあるところからです。
 イボバッタは、多くの場合、ほとんど草の生えていない地上で生活していますが、この日はたまたまジャンプして着地したのが腐りかけた伐採木の上で、この場所でも隠蔽色がとてもよく機能しています。

 イボバッタは自分が目立たない場所にいることがわかっているのでしょうか、撮影の間、じっとしてくれていました。

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2013年10月 9日 (水)

セスジササキリモドキ(オス)

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 タイルの壁にとまっていたセスジササキリモドキのオスです。 セスジササキリモドキは低山の林内や林縁の樹上で生活していますが、夜間に灯火にひかれて来たのでしょう。

 ササキリモドキの仲間はキリギリス科に分類されていましたが、近年ササキリモドキ科に独立しました。 ササキリモドキ科の仲間を見分けるには、オスの尾端部の形態が重要になってきます。 セスジササキリモドキの尾端部は単純で、1対のしゃもじのような尾肢が目立ちます(上の写真)。

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2013年9月 4日 (水)

ウスグモスズ

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 木に絡まっているクズの、地上1.7mほどの所にいたウスグモスズです。 カメラを向けると葉の反対側に回りますが、すぐに跳んで逃げるようなことはありませんでした。 左の後脚が失われていることが関係しているのかもしれませんが・・・。 産卵管があるのでメスです。
 上は長い触角であることを記録しておこうとして撮ったのですが、ファインダーの中では細い触角がよく見えず、端まで撮れていませんでした。 触角の長さは体長の5倍ほどはありそうです。

 ウスグモスズは、樹上性で、クサヒバリなどと同じヒバリモドキ科に分類されています。 この仲間には「○○スズ」という名前のものがいろいろいるのですが、たぶん鈴を振ったような鳴き声からでしょう。 しかし、このウスグモスズは、メスはもちろん、オスも鳴きません。

 ウスグモスズはとても不思議な虫です。 最初に報告されたのは1970年に東京の渋谷で発見された個体についてで、80年代に入ると関東各地で報告されるようになり、現在では大阪や京都などの市街地などでも見つかっています。
 このような発見のされ方や分布の広がり方を見ると、外来昆虫だと思われるのですが、不思議なことに、外国でのこの虫に関する記載が見当たらないのです。 つまり日本でしか見つかっておらず、どこから来たのかも分からず、日本で新属新種として記載されたということになります。 目を凝らさないと見えない大きさの虫ならいざ知らず、体長が8mmほどもある(脚を伸ばすと2cmほどになる)虫の原産地が不明だということは、どのように考えたらいいのでしょうか。
 なお、ウスグモスズの学名は Usugumona genji、つまり名前の「ウスグモ」は、源氏物語第十九帖の「薄雲」からのようです。

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2013年8月29日 (木)

マツムシモドキ

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 マツムシモドキは樹上性のマツムシの仲間(マツムシ科)です。 長い触角を持っていますので、触角を含めた全身を撮ってみたものが、上の写真です。 写真はたぶんオスだと思いますが、オスとメスは上から見るとよく似ています。
 翅は発達していますが、発音器は無く、オスも鳴きません。 オスは体を振動させ、メスは枝を伝わる振動をたどってオスの所にたどりつくようです。

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2012年10月 9日 (火)

ニシキリギリス

 キリギリスがよくいるのは、ススキの群落など、背の高い草むらです。 体の色には、緑色型と褐色型があります。
 私の子供の頃は、よくキリギリスを捕まえて虫かごで飼っていたものでした。 そんな身近であったキリギリスも、最近はあまり見かけなくなり、鳴き声を聞くことも少なくなった気がします。

 このキリギリス、研究が進むにつれて、地域ごとに異なる特徴を持った個体群が存在することが知られるようになり、少なくとも2種は明らかに別種だということになって、1997年にヒガシキリギリスとニシキリギリスと名付けられました。 分子系統解析が進むと、もっと多くの種に分かれるかもしれません。
 ヒガシキリギリスの分布は青森県から岡山県にかけてで、ニシキリギリスの分布は近畿地方から九州にかけてだとされています。 つまり近畿地方では、両者が混在していることになります。
 ニシキリギリスはヒガシキリギリスに比較して翅が長く、発音器官が小さいとのことです。 また、ヒガシキリギリスの側面には黒斑が多くあるのに対し、ニシキリギリスでは黒斑は1列程度または全く無いとのことです。
 この特徴に照らし合わせると、下はニシキリギリスのメスのように思います。

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 上は岩湧山の茅場で9月下旬に撮ったものです。 普段は草むらの中に潜んでなかなか姿を見せないのですが、この日は理由は分かりませんが、あちこちでメスもオスも、よく日の当たる場所でじっとしていました。
 下のオスは、後脚が左右とも失われています。

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2012年10月 5日 (金)

アオマツムシ

 アオマツムシは明治時代に日本に帰化した外来種で、特に1970年代から数が増え始めました。 体型が平たく動きが素早いため、アオゴキブリとも呼ばれます。

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 マツムシ科の虫たちの多くは褐色系ですが、このアオマツムシは、その名前のとおり、オス・メス共に緑色で、オスは背中の中心部に褐色部分があります(こちら)が、メスは写真のように体全体が緑色です。 緑色であることは、樹上性であることとも関係するのでしょう。 なお写真のアオマツムシは、左の後脚が失われています。

Aomatsumusi120922_2     アオマツムシのメス  この角度から見ると、産卵管が見えます。

 アオマツムシのオスは大きな「声」でよく鳴き、メスを呼びます。 もちろん鳴き声は口から出すのではなく、翅をこすり合わせるわけで、私たちの出す声とは異なります。 一方、その声を聞く耳も、人のように目の後ろにあるわけではありません。
 昆虫の聴覚器官の場所はいろいろです。 同じ直翅類でも、バッタの仲間の聴覚器官は後脚の付け根付近にありますが、コオロギやマツムシなどの仲間の聴覚器官は前脚の脛節にあります。

Aomatsumusi120922_3     アオマツムシの聴覚器官(赤い矢印のところ)

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2012年10月 3日 (水)

モリオカメコオロギ

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 オカメコオロギの仲間は、触角の付け根から付け根に白い線があります。 森林の落ち葉の下を好むモリオカメコオロギ、草地や畑などに住むハラオカメコオロギ、湿地や田んぼに住むタンボオカメコオロギがいて、いずれも正面から見たオスの顔の左右が膨らんでいて、「おかめ」の名前はここから来ています。
 写真のモリオカメコオロギもオスで、正面から撮りたかったのですが、自然の中で動き回るモリオカメコオロギでは、側面から撮るのがやっとです。

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 写真の個体は左側の後脚が失われていますので分かりませんが、後脚には長い棘が並んでいます。
 モリオカメコオロギとハラオカメコオロギはよく似ているのですが、生息環境の違いの他に、モリオカメコオロギのオスでは、ハラオカメコオロギよりも、前翅の端部がやや長いこと、腹面がやや赤みを帯びていることなどで区別できます。

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2012年8月 3日 (金)

コロギス

 コロギスの名前は、体型はコオロギに似て色はキリギリスのようだというので、コオロギ+キリギリスからきていす。
 とても長い触角を持っています。 翅は質が薄く、飛翔にはほとんど役立ちませんし、後脚も特に発達しているわけではなく、すばらしいジャンプができるわけでもありませんので、逃げる時は走ることが中心になります。

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 樹冠部で暮らし、夜行性で警戒心が強く、昼間は糸を出して葉を綴り、その中に潜んでいますので、コロギスをあまり目にする機会はありません。 そのうえオスも鳴きませんので、存在に気づくこともあまりありません。
 そのコロギス( 産卵管があるので、メス )が、どういう理由か、地上から 1.5mほどの高さの木の幹にじっとしていて、カメラを近づけても逃げません。

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 前脚と中脚の脛節には、獲物を捕える時に役立つのでしょう、鋭い棘が並んでいます。

Korogisu120728_4    (この写真はクリックで拡大します)

 複眼は黄褐色をしています。 額には3つの円い白斑があります。

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