タカノツメ(短枝と長枝)
里山ではタカノツメが美しく黄葉していました。 美しさもさることながら、なかなかおもしろい葉のつき方をする木です。 今回はその葉の付き方と枝ぶりに焦点を当ててみることにします。 でも、その前に、「タカノツメ」の名前についてですが、これは芽の形が鷹の爪に似ているところからと言われているのですが、どうでしょうか。
話を葉の付き方に戻します。 あまり葉が多いと何がなんだかよく分らないので、葉の重なりの少ない所を撮ったのが下の写真です。
タカノツメの葉は3枚の小葉からなる3出複葉で、多くの葉は束生しています。 上の写真の中央では、7枚の葉が束生していますが、その付け根付近の枝の様子が他の部分と少し違い、他の枝の部分のように滑らかではありません。
下はそのことがよく分るように枝を撮ったものですが、葉が束生している付け根付近(⑤の場所)はやはりゴチャゴチャしています。 でも、下の写真では、⑤と同じような場所が、滑らかな枝の途中の②にも見られます。
上の写真の枝の成り立ちを読み取ると、次のようになります。
①の方向から伸びてきた枝は、伸びる速度を落とし、葉をたくさん付けだしました。 葉は束生しているように見えます。 そして秋、きっとこの葉もきれいに黄葉し、芽を残して葉を落としたことでしょう。 これでこの写真の枝の1年目の秋は終わりです。
翌年の春、この芽を覆っていた芽鱗が取れ、枝が伸びだしました。 ②は上記の束生していた葉と芽鱗の取れた跡です。
枝は④の方向にどんどん伸びます。 途中、葉はほとんど付けませんが③の所には1枚の葉を付けました。 このように葉をほとんどつけずにどんどん伸びる枝を「長枝」と呼んでいます。
③の位置にある1枚の葉の腋には腋芽ができました。 そして③の位置の葉は落葉し、その跡が③に残りました。 これでこの写真の枝の2年目の秋が終わりました。
次の年の春、③の位置にあった葉の腋芽が伸びだしたのですがほとんど伸びず、どんどん葉をつけます。 本来は互生の葉ですが、葉と葉の間の枝がほとんど伸びないものですから、葉は束生する状態となります。 このようにほとんど伸びずに葉をたくさんつける枝を「短枝」と呼んでいます。 そして秋、葉は落ちてこの写真の枝の3年目の秋が終わり、次の年の春に芽鱗が落ちて⑤のようになりました。
⑤の先の枝もあまり伸びず、たくさんの葉をつけています。 短枝です。 それがこの写真の状態です。
短枝はこのように昨年の短枝の続きに今年の短枝と、何年も続くこともありますし、急に長枝になることもあります。
短枝と長枝については、メタセコイアの所でも記事にしました。 しかし、このタカノツメの場合は、短枝と長枝がもっと極端に違っています。 タカノツメはこのように短枝と長枝がはっきりとしていて、最初の写真のように、枝のあちこちに葉の束がついたような、独特の姿を見せることとなるのです。
今日は枝に残されたその木の生い立ちの記録を読み取ることにチャレンジしてみました。
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