2009年7月10日 (金)

タカネビランジ

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 タカネビランジは、ナデシコ科に分類されていて、ほとんど南アルプスの高山の礫池や岩場にしか生育していないと言ってもよい植物です。
 花の直径は、2.5~3cmと、草丈に比べて大きく、5枚の花弁は、少し不均一ぎみで、独特の形になります。
 花色は、上の写真のような淡い淡紅色のものと、下の写真のような鮮やかな紅紫色のものの、2種類があるようです。

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 六甲高山植物園での6月14日の撮影ですが、南アルプスでは、これからが花の時期です。


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2009年7月 9日 (木)

エゾルリソウ

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 「現地では今」シリーズ、2回目はエゾルリソウです。

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 エゾルリソウは、北海道でも、高山の岩礫地や草地に稀な植物です。
 おなじみのヤマルリソウとは、同じムラサキ科ですが、属は違います。 ヤマルリソウの茎は斜めに倒れて伸び、花は平開するのに対し、エゾルリソウは立ち上がり、花も筒状鐘形で、あまり似ているとはいえませんが、花冠の喉部に副鱗がある点は共通です。

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 六甲高山植物園での6月14日の撮影ですが、北海道では今頃咲いていることでしょう。

(参考)ヤマルリソウの花

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2009年7月 7日 (火)

エゾハナシノブ

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 六甲高山植物園には、低山帯の植物から、いわゆる高山植物まで、いろいろな植物が育てられています。
 そのなかで、いわゆる高山植物にとっては、六甲山は低すぎます。 つまり暖かすぎます。 ですから、その植物が本来の環境で咲くより、六甲高山植物園では早くに花を見ることができることになります。
 これから時々、六甲高山植物園で撮った写真を、本来の生育地では今頃咲いているだろうという時期に載せていくことをしたいと思います。 名付けて「現地では今」シリーズ。
 今回はエゾハナシノブです。 ハナシノブの仲間は、南北アメリカには多いのですが、日本には少なく、九州で見られるハナシノブ、本州中部の高山帯に稀なミヤマハナシノブ、それに北海道で見られるカラフトハナシノブとこのエゾハナシノブくらいです。
 エゾハナシノブは、日本のハナシノブの仲間の中では、大きな花を咲かせます。 現地ではもう少し逞しく咲いているようですが、六甲高山植物園ではどうにか育っているといった感じです。 でもそれがかえって、切れ込んだ葉とともに、やさしく、涼しさを感じさせてくれていました。
 六甲高山植物園では6月14日に撮影し、花はほとんど終わりかけていましたが、北海道では今頃咲いていることでしょう。

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2009年7月 6日 (月)

セアカツノカメムシ

 セアカツノカメムシとは、「背中の赤い角のあるカメムシ」という意味でしょう。 ところで、昆虫の背中ってどこ?

 昆虫は頭部、胸部、腹部に分かれるというのは、小学校で習いました。 が、「背部」というのは無かったですね。 背中側、腹側という言い方が、昆虫の場合、難しくなります。
 「何をかたいことを・・・ 背中とは上側でしょうが!」と、お叱りの声が聞こえてきそうですが、甲虫やカメムシの場合、上から見下ろして見える多くの部分は翅です。 背中の色って翅の色のこと?

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 写真はセアカツノカメムシのメスです。 上の写真のカメムシの色を学術用語を使いながら表現すると、次のようになります。
 「全体は青緑色で、前胸背の前側が黄色みを帯びた褐色、前胸の横から飛び出た側角の先は黒色、小楯板は前側が赤褐色が濃く、小楯板を含め前胸背面全体に黒い点刻が見られる。」

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 たしかに上から見て全体的に赤っぽいカメムシではありますが・・・
 それじゃ体の下側は、と見ると、これも赤っぽい。 これじゃ、ハラアカカメムシ?

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 じつは見てしまったのです。 飛んでいる所を・・・ 翅を広げると腹部の背面が濃い赤褐色なのです。 最初の写真で、翅の透明な部分では、その色が透けて見えていますが、腹部背面全体がこの色なのです。
 このカメムシの和名をつけた人が、なぜ「セアカツノカメムシ」と名付けたのか、それは分かりません。 もしかしたら、上から見たときに赤っぽいからかもしれません。 でも、もしかしたら、翅を広げたときの腹部背面の色からの名前かもしれないと、私は思いました。
 翅を広げた標本の色? とも一瞬思いましたが、このカメムシは死ぬと全体が黄色くなってしまいます。 ついでに、セアカツノカメムシは越冬すれば、体全体が茶褐色になってしまうという、いろいろ色の変化を見せてくれる虫です。
 とにかく、甲虫やカメムシなどの場合、「背中」という言葉を使うときには、少し注意が必要だなぁと思った次第です。

 セアカツノカメムシは、ツノカメムシ類の中では最も普通に見られる種類で、成虫はいろんな樹木の実の汁を吸っています。
 上で写真の個体はメスだと書きましたが、オスは生殖節に赤色の突起を持ち、それが翅から外に飛び出しています。


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2009年7月 5日 (日)

クサタチバナ

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 クサタチバナは、関東以西から四国の、山地の草地などに生育し、6月~7月に花を咲かせる植物ですが、絶滅が心配されています。 写真は6月14日に六甲高山植物園で撮ったものです。
 名前は、花が一見タチバナ(ミカン科)に似ているところからですが、じつはこのクサタチバナは、昨日記事にしたタチカモメヅルと同じカモメヅル属(Vincetoxicum属)です。 クサタチバナはツル植物ではありませんし、花の色も全く違いますが、同じ属だと知って見ると、たしかに対生の葉の様子も似ていますし、花のつくりもよく似ています。

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 クサタチバナの花にも蜜を求めてアリが来ていました(下の写真)。

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2009年7月 4日 (土)

タチカモメヅル

 タチカモメヅルは、日当たりのいい湿った場所に生育するツル植物で、本州の近畿以西から、四国、九州に分布します。
 カモメヅル属(Vincetoxicum属)は、従来はガガイモ科に分類されていましたが、新しいAPG植物分類体系ではキョウチクトウ科に分類されています。
 多年生植物で、「タチ」は、春に芽が出てしばらくは、他のものに巻きつかなくてもグングン上に向かって伸びるからですが、その後は他の植物などにゆるやかに巻きついて伸びていきます。
 ちなみに、「カモメ」の語源は、暗紫色の花からも、植物全体の様子からも、鳥のカモメは想像できません。 この仲間は花の大きさのわりにはビックリするような大きな果実(袋果)をつけますが、この果実が割れると、中には長い白毛を生やしたたくさんの種子がありますから、その様子をカモメに見立てたのだと思われます。

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 葉は対生し、葉腋に群がって生じる花は、径が1cmに満たない大きさで、色も暗紫色ですので、ほとんど目立ちません。 この花は、6月の終わり頃から咲き始め、夏中咲き続けます。
 小さな花ですが、花のつくりは複雑で、暗紫色の花冠の先端は深く5つに切れ込み、同色の副花冠がオシベとメシベを取り囲んでいます。 オシベで作られる花粉は、花粉塊と呼ばれるかたまりになっています。

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 花の蜜は多く、上の写真でも、花冠があふれ出た蜜で濡れています。 上で人の目には目立ちにくい花であることを書きましたが、蜜が多い花には虫たちは敏感で、いろんな虫が集まっていました。 下の1枚目はカナブン、2枚目はアリたちです。

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 花に集まる虫たちを狙ってでしょうか、葉の上にはアリグモも来ていました(下の写真)。

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※1 この記事の写真は全て、6月27日に、「堺自然ふれあいの森」で撮影したものです。

※2 花と訪花昆虫との関係、特に共進化について、コメント欄にいろいろ書いています。

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2009年7月 3日 (金)

ミヤマウコギ

 ウコギの仲間(ウコギ科ウコギ属)にも、ヒメウコギ、オカウコギ、ヤマウコギ、ケヤマウコギ、ミヤマウコギ、ウラジロウコギ、エゾウコギなど、たくさんの種類があります。 いずれも掌状複葉で、互いによく似ていて、分類の難しいグループです。
 米沢藩第九代藩主上杉鷹山公がウコギの垣根を奨励したのは、たぶん中国原産のヒメウコギだと思います(米沢を訪れて確認したわけではありませんが・・・)が、このヒメウコギは、新芽が美味しく、切り和えやおひたしなどの郷土料理にも使われています。

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 そんなたくさんの種類のあるウコギの仲間のうちでは、少し珍しい部類に入るミヤマウコギが、金剛山で花を咲かせていました(上の写真)。 といっても、目立たない花ですが・・・
 金剛山では、ミヤマウコギはあちこちで見ることができます。

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 他のウコギの仲間からミヤマウコギを区別する場合、次のような特徴がそろっていたらミヤマウコギだとしていいでしょう。
 まず、複葉の葉柄には小さな刺があります。 小葉の質は薄く、不揃いな重きょ歯縁で無柄です。 そして、花序は今年伸びた長枝の先につきます。 それぞれの花の花柱は2個です。

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 上の写真では、花盤から蜜が噴き出しています。 このような拡大した写真を見ていると、大きさはかなり違いますが、ヤツデに似ていて、ウコギの仲間もヤツデも同じウコギ科であることに納得させられます。

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2009年7月 1日 (水)

サカハチチョウ(夏型)

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 5月19日の記事で、サカハチチョウの春型のことを書きましたが、その夏型です。
 翅の裏はそんなに違わないのですが、表はかなり様子が違い、夏型では逆さ「八」の字がくっきりと分かります。

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 ところで、チョウの脚は何本? 昆虫の脚は何本? チョウは昆虫?
 この質問は、このブログによく来ていただいている人には何の問題も無いですね。 忘れた人は下で復習を。
 チョウの足は何本?
 タイワンウチワヤンマ(トンボの足は何本?)
 4本の足で止まる①(コシアキトンボ、チョウトンボ)
 4本の足で止まる②(ヒメアカタテハ、ナシイラガ)

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2009年6月30日 (火)

クマノミズキ

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 ミズキとクマノミズキ(上の写真)、遠目にはたいへんよく似た木ですが、花の時期は、かなり違います。 金剛山ではミズキの花は、山麓では5月下旬、山頂付近で6月上旬、クマノミズキの花は山麓で6月下旬、山頂付近で7月上旬、ほぼ1ヶ月遅れです。
 花の一つひとつは小さく、花弁4、オシベ4、メシベの根元には花盤があり、蜜を分泌しています。

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 上で、遠目には似ていると書きましたが近づけばはっきり区別できます。 ミズキの葉は互生ですが、クマノミズキの葉は対生です。
 葉腋には芽があります。 この芽が伸びて枝になります。 ですから、対生の葉を持つ木の枝も対生になります。 もっとも日当たりの様子などで枯れ落ちる枝も出てきますから、ある程度太い枝になると、枝が対生というのは当てはまらない場合も多くありますが、少なくとも細い枝では対生になる場合が多くなります。
 なお、花序の枝は、向かい合わせの腋芽が伸びたものでもなく、上の話とは無関係で、対生ではありません。

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 花序の枝は、花の終わった後は実をつけ、秋には枝サンゴのように美しい色に染まります。(詳しくはこちら

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2009年6月29日 (月)

アイノカツオゾウムシ・ハスジカツオゾウムシ

 色が鰹節に似たゾウムシで、○○カツオゾウムシという、何種類かのグループがあります。 今日はそのうちの、アイノカツオゾウムシ(?)とハスジカツオゾウムシです。

 アイノカツオゾウムシの「アイノ」は「アイヌ」が訛ったものといわれていています。 よく似た種類に、ナガカツオゾウムシがいるのですが、ナガカツオゾウムシは上翅端1/3から細くなっているようですし、写真の個体は、金剛山(といっても、標高500m位の所)で撮ったことや、ヨモギの葉にいたことから、アイノカツオゾウムシとしておきます。

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 ハスジカツオゾウムシは、'08年7月26にこのブログの記事にしています。 前回は“スタジオ撮影”でしたが、今回はノアザミの葉の上にいるところを撮ることができました(撮影場所:堺自然ふれあいの森)ので、載せておきます。
 今回の写真に比較すると、前回の写真の体は、黒っぽい色をしています。 じつはカツオゾウムシの仲間の体の色は、地色は黒く、褐色系の色は体の表面にびっしり生えた短い毛の色です。ですから、この毛が取れるにしたがって、次第に黒っぽい色になっていきます。

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